MT-07用MOTO CAGE ロールバーフレーム のインプレ
※長文注意。面倒な方は流し読みして頂ければ幸いです。
というわけでヨーロッパヤマハのロールバーフレームを入手し、付けてみました。
Twitterでダラダラ書いてはみましたが、アレはあくまで普段の正装で乗ったわけではなかったので仮インプレです。
また、取り付け自体は超簡単なので特に省きます。ただし取り付けボルト2本に関しては仮止めからの本締めをしないと取り付けられないので注意です。
まず結論から言うと、フレームがワンランク上のフレームになりました。
SSほどの固さはないと思いますが、ようやく同排気量クラス同等かそれ以上程度の固さになりました。
また、高速走行時に感じたフレームの嫌な共振も無くなりました。ECU書き換えでだいぶ無くなったんですが、完全に無くなったというか快適な程にはなりました。
ただ固くなった訳ではなく、高Gや高荷重の際には適度にしなってくれます。
今の所僕程度の荷重だと若干しなったかなぐらいの感じなので、コレで妙に剛性が弱いだとかフレームの共振が酷いというのはなくなりました。
ECU書き換えのおかげもあると思いますが。
ちなみにこのフレーム、ぶっ飛ばす為だけではなく、制限速度でゆっくり走るのにも割といい影響を及ぼしてると感じました。
高速をお行儀よく走るのも楽になりましたので。
ただしフルノーマルの車両にはオススメ出来るかと言うと…後述を見て頂ければ分かるかと思います。
それではシチュエーション別でどう変わったのか書いていきます。
・高速(某無料高速)
「フレームが弱すぎて、高速時の負担(よじれやしなり、共振など)を受け止められないが故の安定性の無さをどうにかしたい」
というのが主な交換したい理由の一つでしたが、これはもう段違いです
あるのと無いのとではちょっと遠くに行こうと思うか思わないかぐらいのレベルです。
100km/h巡航ですら変化を感じました。ECU書き換えでもエンジンが軽く回るようになって楽になりましたが、車体全体がどっしり落ち着いたかのようです。
感覚的には軽四から足がしっかりしたセダンに乗り換えたかのような安定度です。
以前はぬあわ辺りでもうしんどいしふらつくしで無理って感じでしたが、ぬえわですら車体は全然問題なく走りました。
ただリアサスのプリロードを締め上げていてパンパン跳ねてしまう傾向があったので、それ以上はやめました。
巡航自体はセッティング次第で全然問題無さそうです。
・街乗り
意外や意外、こちらも全然違います。フレーム剛性向上による直進安定性がこちらの領域でも分かる程に上がっているのかとても楽です。
ギャップやアンジュレーションによる応力にも車体全体で受け止めてタイヤに伝えている感覚が強いです。
以前はバァン!!!と跳ねると車体がしなってその跳ね返りがあって全然落ち着いてくれてなかったですが、それらがほぼ無くなりました。感動しました。
なんというか、基本的にフレームに掛かる応力というものをしっかりいなして、それを全てタイヤに等しくググっと伝えてくれる力が備わったように思います。
速度域は意外と関係無さそうというか、逆に言えば全体的な走りが向上した気がします。
・峠道
当たり前のように違います。
全体的には、コーナリングがシャープになったように感じます。
このバイクこんな鋭く曲がれたっけかってぐらいには曲がれます。
特に二次旋回時の嫌なしなりがなくなって、フレームからちゃんとリアタイヤに綺麗に荷重が乗る感じになりました。
もう本当にこの二次旋回の立ち上がりでフレームグニュッとなるの嫌だったんですが、ものの見事に解消されました。
切り返しでもフレームのよじれが無くなって、一個目のコーナーの旋回Gをそのまま二個目に余すこと持っていけるようになり、スパッ!スパッ!と切り返しが出来るようになりました。
ちょっと外れますが、片側二車線のレーンチェンジなどでも効果はよく分かって、「お前こんなスパスパ切り返し出来るんかワレェ!!」って感じでした。
ブレーキングに関しては、フォークオイル交換もしてるんで何とも…
ちなみに円陣家至高さんのマルチグレードオイル使ってますが、めっちゃ良いです。
街乗りもしなやかで、峠でもしっかり奥で腰のある減衰を発揮します。
皆様是非お買い求めください。
という感じにシチュエーション別での感想を書いてみました。
2020/10/21編集
余りに酷い部分だったので打ち消し線と小さめにしたので読み飛ばし推奨です。
当時の僕なら言いそうだなとは思いますが、単純にエラそうで腹が立つので…
単純に「色々やった後に入れたから、ノーマルだとそうなるかは分からない」
という事なんですが、当該パーツを手渡しで売却後、インプレを拝見した所同様の効果が見られるとの事でした。
という訳でノーマルでも有用です。やったね(´・ω・`)
まさに今の所全く非の打ち所がない素晴らしい剛性アップパーツなのですが、ここで一つ注釈として…
僕のMT-07は
・ナイトロンR1
・オーリンズ製Fフォークスプリング&円陣家至高マルチグレードオイル
・K&Hハイシート
・SLAPPER氏 https://minkara.carview.co.jp/userid/2363180/profile/によるFT ECUによるECU書き換え(エアダクト撤去ノーマルEXマップ、燃料カットオフ、点火時期進角など)
・ISA製リアスプロケット二丁上げ
・インパクト製プリロードアジャスター
・OVERコピーと思われる中華バクステ+激安ステップ販売さんのショート版ステップバー
・FRANDOラジアルポンプマスター(φ17)
・関係ないかもだけどMRAスクリーン
など、それなりに弄って更にアライメントも色々やってる車両です。
その点から果たしてノーマルMT-07にロールバーフレームを付けた所で僕と同じようなメリットを享受出来るかは微妙な気がします。
何故そう思うかと言うと、タイヤに荷重を伝えるという意味を紐解けば分かりやすいと思います。
まず荷重が伝わる経路としては、シートやステップからフレームに伝わり、サスを通じてタイヤに荷重が伝わる訳です。
伝達経路の一つであるサスが、タイヤの固さに負けて荷重を逃してしまう減衰&スプリングレートでは結局剛性アップしてもあまり意味はないです。
意味はない訳ではないですが、わざわざいきなりフレームから手を付けるより、Fスプリング買ったりリアサス買ったりしてからECUとかの方が良いと思います。
基本は足、駆動系&ECU、ブレーキ、排気系をやった後にどうしても不満ならフレームって感じだと思います。あとタイヤ。
そもそもフレーム剛性アップパーツなんて早々あるもんでもないと思いますが…
僕が排気系やってないのはエキマニは純正で十分マンだからです。
せめて前後サス、最悪リアサスのみでもいいですが、足のグレードアップは絶対必須な気がします。
ノーマルサスはノーマルフレームに合わせて作ってあるはずなので、貧弱サスが更にフレームに対して負ける状況ってのは芳しくない気がします。
サスが強い分にはフレームがしなるだけで済みますが、その逆はサスの動きの高速化を招くのでサスが更にバタつくんじゃないかと…。
僕のイメージなので、実際試してみたい人はやってみてもいいと思います。
対費用効果の面や、サスのキャパの面であまりオススメはしませんが。
おすすめの交換順としては、リアサス、Fスプリングとオイル、ECU書き換え、スプロケット交換orシート交換かなと。
革パン履いてないとか、座り方が悪くてお尻が辛いなら真っ先にシートかなとも思います。
個人的には後者には後々の事も考えて座り方矯正の方をオススメします。
という訳で長々とインプレとどうでもいい注釈を書きましたが、最後に一つ。
「人に果たして勧められるのか?」
という事なんですが…
万人にはオススメし辛いですが、僕のインプレで出てきた応力や荷重の意味が分かって且つMT-07を乗り倒すつもりで金をぶっ込んでしまった人には絶対やれと言えるシロモノです。
MT-07の沼にハマってしまった人、是非個人輸入しましょう。
https://www.kfm-motorraeder.de/cms/en/genuine-spare-parts/yamaha-spare-parts?itemid=1WSF43B00000